目次
債権回収の基本ステップ
- 任意回収
まずは電話や書面による督促から始めます。支払期日を明確に伝え、相手方が支払える環境を整えるよう働きかけることが重要です。 - 内容証明郵便の送付
任意の督促で進展がない場合、法的効力はありませんが「支払を怠れば法的措置を検討する」という意思表示を示す意味で有効です。 - 裁判所を通じた回収手続き
- 支払督促:簡易かつ低コストで可能。ただし相手方が異議を申し立てると通常訴訟に移行します。
- 少額訴訟:60万円以下の金銭請求に利用でき、1回の期日で判決が出る場合もあります。
- 通常訴訟:請求額や争点が大きい場合はこちらになります。
- 強制執行
判決や和解調書に基づき、相手方の預金や不動産などに対して差押えを行い、回収を図ります。
実務上の注意点
- 証拠の保全
契約書、請求書、納品書、メールのやり取りなど、債権の存在や金額を裏付ける資料を整えておくことが不可欠です。 - 時効の管理
債権には消滅時効があり、商取引に基づく債権は5年(改正民法施行後)で消滅するケースが一般的です。督促や訴訟提起で時効を中断できるため、期限管理は重要です。 - 相手方の資力確認
訴訟に勝っても相手に資力がなければ回収は困難です。事前に信用調査を行い、コストと回収可能性のバランスを判断する必要があります。
まとめ
債権回収はスピードと証拠の整備が鍵となります。任意の話し合いで解決できるのが理想ですが、必要に応じて裁判所の制度を活用することも検討すべきです。特に中小企業や個人事業主にとっては、債権回収の成否が経営を左右することも少なくありません。トラブルを未然に防ぐためには、契約段階での取引条件の明確化や保証制度の利用も有効です。







